2011年9月2日金曜日

昔から短かった総理の在任期間

最近、日本の総理大臣の在任期間が短いことがよく話題になっている。海外メディアも、これを "revolving door" (回転ドア)などと表現しているのをわりと見かける。

日本の総理の在任期間は、昔から短かったようだ。

旧 憲法下では、1~2年で総理が替わるのが普通だった。このときの内閣制度は詳しくは知らないが、総理は「同輩中の首席」という位置づけにすぎず、よく閣内 不一致が原因で内閣総辞職を余儀なくされたという話は教わったことがある。なお、現在の内閣制度では必ずしもそのようなことはない。閣内不一致が起こって も、総理が意見の異なる閣僚を罷免することもできる。

現在の憲法と内閣法が施行されたのは昭和21年5月3日。総理の地位は高められ、権限も強化された。だが、総理の任期の長さには、さほどつながってはいないようだ。

内閣法施行直後の5月24日に第1次吉田茂内閣が総辞職(在任期間約1年)、以降、片山哲、芦田均、吉田茂、鳩山一郎、石橋湛山と総理が替わるが、このう ち片山哲、芦田均、石橋湛山は1年未満の短命。鳩山一郎はもった方だが、2年。例外的に、吉田茂だけ6年以上にわたって総理を続けている。

その後、長期政権の時代が到来する。岸信介(在任期間約3年5か月)、池田勇人(4年4か月)、そして佐藤栄作(7年8か月)と続く。

こ の3人の後は、総理の在任期間は長期的に見て短くなっている。田中角栄、三木武夫、福田赳夫、大平正芳、鈴木善幸の時代は2年前後。 中曽根康弘内閣はこの時期珍しい長期政権になったが(在任期間約5年)、その後の竹下昇、宇野宗佑、海部俊樹、宮澤喜一、細川護煕、羽田孜、村山富一、橋 本龍太郎、小渕恵三、森喜朗の頃になると、2年続けば長い方だ。その次の小泉純一郎内閣は、珍しく長期政権(在任期間約5年5か月)。だが、これ以降はさ らに短命政権が続き、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎、鳩山由紀夫、菅直人は1年前後で総理の職を辞している。