2010年12月6日月曜日

「母子家庭で育った」と言うと、離婚と決め付けられることが

「私は母子家庭で育ちました」と話すと、両親が離婚したものと決め付けられることがある。

私の母も、会社で「うちは母子家庭で、息子がいる」と伝えていた。ある日、自分の夫はとうに亡くなっていないという話を同僚にしたところ、たいそう驚かれて、「富重さんって、母子家庭って言うから、旦那さんと離婚したものと思っていた。死別だとは思わなかった」と言われたそうだ。このため、母は私に「お前は母子家庭で育ったことを人に話す場合、必ず死別だということを言い添えなさい。離婚だと間違って解釈されるから」という指導を受けた。

こう誤解されることについては、それほど問題とは思っていない。ただ、なぜ母子家庭というと、すぐ離婚と思い込まれてしまうのか、そこが気になる。もしかすると母子家庭の大半は離婚によるもので、死別は珍しいのだろうか。それとも、人の思い込みというのはそれほど強いということなのだろうか。

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思い込みというと、子供の頃に感じたことだが、全ての子供には必ず両親がいるものと前提して話す大人が少なからずいた。学校によっては、作文で両親について書かせるところもあるらしい。しかし、さすがに、これは仕方がないとは思った。多くの人にとっては、片親や親がいない子がいるなど、想像しにくいだろう。

私の大学時代のゼミの指導教官は、「両親」という言葉を使わないことにしていた。かつて、ゼミ生に母子家庭の学生がいたからだという。配慮の行き届いた先生だが、なにもそこまでという思いもないではない。