この法律において「へき地学校」とは、交通条件及び自然的、経済的、文化的諸条件に恵まれない山間地、離島その他の地域に所在する公立の小学校及び中学校並びに中等教育学校の前期課程並びに学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第六条に規定する施設(以下「共同調理場」という。)をいう。
(へき地教育振興法より)
「へき地等級」という言葉を知った。「へき地教育振興法施行規則」による、その公立小中学校が置かれている場所のへき地度を言うそうだ。例えば、「○○小学校は、へき地等級2級」「へき地1級」という言い方をするらしい。5級や4級といった、等級の数字が高いほど、都会から遠く離れている。
私の身近にも、いわゆるへき地がある。だが、へき地等級という言葉を私が聞いたことがないのは、その地区には公立の小中学校すらないからだろう(もう何十年も前に廃校になった。今では子供は全くおらず、お年寄りばかり)。
その地区は、へき地教育振興法施行規則が言うところの「駅又は停留所」「旧総合病院」「病院」「診療所」「高等学校」「郵便局」「市町村教育委員会」「金融機関」「スーパーマーケット」「市の中心地」「県庁所在地又はこれに準ずる都市の中心地」いずれもない。もちろん、コンビニもない。あるのは、時代を感じさせる家と田畑ばかり。この地区から、例えばスーパーに買い物に歩いて出かけようものなら、数時間もかかってしまうのではないか。このため、住民はみな自動車に載って、街まで往復する毎日だ(私の経験では、のどかな地域ほど車を乗り回している人が多い。公共交通機関が発達していないからだ)。このように不便な場所のため、過疎化が進行している。
ただ、自然が数多く残っており、緑豊かな場所であるとは言える。
都会の人にはピンとこないかもしれないが、日本にはこういう場所が案外たくさんある。