■ 「お客様は神様です」
三波春夫の「お客様は神様です」という言葉は広く知られている。ビジネス関係の書物でも、「顧客第一主義」とほぼ同義で引用されることがある。しかしこの言葉、賛否両論分かれているようだ。
だが、「お客様は神様です」は一人歩きしていて、三波春夫本人が意図した意味とは、ややかけはなれた意味で使われている。一つの言葉が広く大衆に使われていくうちに多義的になるのは私個人は必ずしも悪いこととは思わないが、亡き三波春夫が誤解を受けるようになっては気の毒だ。三波春夫の真意を知りたい方は、三波春夫のオフィシャルサイト等で調べてみることをおすすめする。
■ 「お客様は王様です」
英語圏では、「お客様は王様です」という言い回しがある。英語で書くと、The customer is king. こちらの方が、「神様」よりも私にはしっくりくる。
ほかにも、「お客様が一番です」(The customer is number one)、「お客様がボスです」(The customer is the boss)という言い方もあるらしい。
■ 「お客様は常に正しい」
「お客様は常に正しい」(The customer is always right)という表現も、よく知られている。
ただ、この言葉にも異論があるのか、アイルランドの航空会社 Ryanair の Michael O’Leary 最高経営責任者(CEO)などは、「客は常に間違っている」(The customer’s usually wrong)と発言したらしい。イギリスの経済紙 Financial Times に現地時間22日掲載された Michael Skapinker 氏のコラム "Right or wrong, the customer always matters"(電子版で確認)は、企業の顧客とのかかわり方について触れながら、ロンドンのブラックキャブの最近の動きについて論評が行われている。