富重県の全日制公立高校の合格発表が15日午前9時、一斉に行われ、1,234人が不合格だった。一方、合格者は9,877人で、実質倍率は1.12倍(前年度1.11倍)。
不合格者の多くは落ち込んだり、悔しがったりしていて、歓喜に満ちた表情の合格者とは対照的だった。
■ 不合格者の表情
◇ 大学受験でリベンジ
A高校で不合格だった山田太郎さん(有瑠歩亜中3年)は、「いち早く受験勉強に取りかかり死ぬ気で頑張ってきたのに。とても悔しい。悔しくて仕方がない。大学受験でリベンジを果たす」と悔しさをにじませていた。
◇ 倍率が高く、何が起るか分からないと思っていた
県内で最も高い1.77倍の倍率だったB高校を受験し、不合格だった鈴木花子さん(辺田中学3年)は、「この高校は倍率が高かったから、何が起るか分からないと思っていた。不合格といっても、まだピンとこない」と話していた。
◇ 落ちてもともと
C高校で不合格を知った佐藤一郎さん(雁間中3年)は、「既に私立高校の特進に合格していたので、ワンランク上の高校を、落ちてもともとで受験した。4月からは滑り止めの私立に進学するが、それにしても不合格はこたえる」と落ち込んだ様子だった。
◇ 友達はみんな合格したのに
D女子高校で不合格だった高橋さくらさん(出流田中3年)は、「この高校には、友達も何人か受験した。みんな合格だったのに私だけ……」と声を振り絞るように話していた。
富重県では、公立高に不合格だった生徒の大半は、滑り止めの私立高に進学したり、公立高の二次募集で再受験をしたりするが、一部には進路が決まらないまま終わる生徒もいる。
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公立高合格発表の新聞記事は、もっぱら合格者を取り上げる。不合格者は、心理的な面を配慮して記事にしないのだろう。新聞紙上では、不合格者は合格者の陰に隠れた存在と言える。
だが、不合格者にとっても、合格発表は人生の大きな一場面なのだ。喜びの声に満ちた新聞記事を読むと、そんなことを考えることがある。