所在不明高齢者に関するニュースを見ていたところ、「行旅死亡人」という耳慣れない言葉に接した。
■ 行旅死亡人とは
行旅死亡人とは、行旅病人及行旅死亡人取扱法によると、「行旅中死亡シ引取者ナキ者」を言うそうだ。「住所、居所若ハ氏名知レス且引取者ナキ死亡人ハ行旅死亡人ト看做ス」とのこと。また、これに準ずる者が政令により定められているそうだ。この具体的な政令は、ちょっと私には分からない。
要するに、行き倒れになって、死後には遺体の引き取り手がない死亡者のことだろう。
なお、Wikipedia は、行旅死亡人を次のように定義している。
Wikipedia行旅死亡人(新しいウィンドウで開く)
■ 自治体が管理
行旅死亡人は、自治体が埋葬または火葬するそうだ。行旅病人及行旅死亡人取扱法には、「行旅死亡人アルトキハ其ノ所在地市町村ハ其ノ状況相貌遺留物件其ノ他本人ノ認識ニ必要ナル事項ヲ記録シタル後其ノ死体ノ埋葬又ハ火葬ヲ為スベシ」の一節がある。そのほか、自治体は様々なことを行う。例えば広島市は、次のようなページを設けている。
行旅病人・行旅死亡人(新しいウィンドウで開く)
■ 2008年でおよそ1,000人
行旅死亡人は、ちょうど今年4月8日に開かれた衆議院青少年問題に関する特別委員会でも話題になった。NHKスペシャル「無縁社会 無縁死 三万二千人の衝撃」で取り上げられたらしく、2008年でおよそ1,000人の行旅死亡人が存在したという。1日平均3人の行旅死亡人が発見されている計算だ。
■ 官報に掲載
行旅死亡人は、官報で発表されている。インターネット版「官報」でも、もちろん発表がある。「号外」⇒「公告」⇒「地方公共団体」で、見ることができる。年齢、性別、ほか、どこでどういったかたちで発見されたかまで詳しく掲載されている。
インターネット版「官報」(新しいウィンドウで開く)
[訂正]
「公告」が「広告」になっていたので、訂正しました。失礼致しました。(2010年8月9日)