昔の私は、夏になっても、我慢で通すべきだと考える傾向が強かった。
たとえ暑くなっても冷房などに頼るな、下敷きをうちわ代わりになど使うな、日差しが強いからといって帽子なんかかぶるな、汗をかいてもそうそう簡単に水を飲むな、耐えよ!耐えよ!とにかく我慢するべき!と考えていたのだった。
他人に対して、こうした規範を強要していたのではない。自分に対して言い聞かせ続けていたのだ。
私の周辺に同じようなことを考えていた同世代の人は、あまりいない様子だった。なぜ私ばかりがこのように考えていたのかはよく分からない。
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だが、最近は考えが変わってきた。いま、熱中症で病院に搬送されたり、亡くなってしまったりする人があとを立たない。上のように我慢ばかりしていたら、いずれ大変なことになる(私も、あんなことをやって、よく熱中症にかからなかったものだ)。
というわけで、最近の私は外出するときは帽子をかぶり、こまめな水分補給を心掛けるようにしている。また、なんでも熱中症は室内にいるときにもなることが少なくないというので、室内でもやはりこまめな水分補給、換気、場合によっては冷房の力も借りるようにしている。
ただ、我慢の癖が完全に無くなったわけではない。今でも冷房はそう簡単にはつけないし、たとえつけても28度にとどめるようにしている(これは、光熱費節約の関係でもある)。また、「暑い」なんて言葉を簡単に口走らないようにしている。「暑い」「疲れた」こうした言葉は、私は簡単に口に出さない主義だ。せいぜい、社交上、「今日も暑いですねえ」と挨拶程度に言う程度だ。