私が入学した小学校の校歌の歌詞は現代的で親しみやすく、小学校低学年の私にも分かりやすいものだった。
その後転校したのだが、転校先の小学校の歌詞は文語体で難しく、子どもの私には理解が難しい、とっつきにくいものだった。「だいたい、昭和50年代にできた新設校なのに、どうしてこんな古めかしい歌詞なんだ!」と憤慨したものだ。だが、格調高く、ありがたみが感じられる歌詞だった。
今にして思うに、小学校といえども、校歌と言えば文語体というのがだいたいの相場だろう。
・ 文語体。
・ 学校の教育理念が歌詞に入る。
・ 海や山や川など、地元の自然が歌詞に入る。
・ 「○×小学校」など、学校名がフルネームで入らないことが案外多い。フルネームではなく、○×とだけ歌詞に入る。
といったところが、現代の校歌におおむね共通する特徴だろうか。
私の祖母が出た小学校では、当時、天皇賛美や富国強兵がうたわれていたそうだ。戦後に入って、この小学校は校歌を改訂した。現代ではこうした校歌はほとんどないだろう。
だが、中にはこうしたセオリーが当てはまらないユニークな校歌もある。
宗左近氏(故人)が作詞した校歌はユニークなものが多く、ネット上でも有名だ。福島県立清陵情報高等学校の校歌「宇宙の奥の宇宙まで」など。だが、時に奇抜なその歌詞は、愉快的に取り上げられることもある。
最近話題になった歌は、校歌ではないのだが、済美高等学校の学園歌だ。同校野球部が甲子園に出場して勝ち進むとともに、このユニークな校歌が何度もTVやラジオで流れ、話題になった。当時の小泉首相は、所信表明演説の中でこの歌を引用している。