2011年3月28日月曜日

私が若かった頃の価値観と時代背景

私はいわゆる氷河期世代だが、私が若い頃にも、若者の意識調査は行われていた。そこで浮き彫りになった若者像は、猛烈に働いて高度成長を実現したご年配の世代から「嘆かわしい」「最近の若者は……」と慨嘆されそうなものだった。メディアの論調も、若者に対して厳しいものだったと思う。若者に対する世間の厳しい視線は、今も昔もあまり変わらないような気がする。

私個人のことを言うと、子供の頃は、学校の教師など大人から、高度成長の負の側面を強調して教えられた。環境問題は言うまでもなく、さらには「日本人は経済的豊かさは手に入れたが、心の豊かさは失った」と主張する大人も少なくなかった。

その一方で「過労死」が広く話題になり、日本人は働きすぎであるとして、これを問題視する向きもあった。仕事中毒のあまり、家族を省みない一部の既婚男性が取り上げられることもあった。

こうした時代背景の中、私は育った。このため、中学か高校ぐらいまでは、経済的な豊かさばかりを追い求めて労働に極端に没頭するような生き方を忌み嫌っていた。この方が、なんとなく知的な感じもした。若者らしく、新しい時代の流れを感じていたのかもしれない。

こういう次第なので、冒頭でお話した各種若者意識調査でああいう結果が出たのも、なんだか分かるような気がしたものだ。

なお、私の価値観が変わったきっかけは、はっきり思い出せないのだが、おそらく大学(経済学部)に入って多様な価値観に触れたことや、バブル崩壊後の長い不況を経験したことではないかと思う。